日本でも人気が高く、なじみのある西洋料理といえばイタリアンやフレンチがあります。しかし、この2つの違いがどこにあるのかについて、正確に答えられる方は、少ないのではないでしょうか。そこでこの記事では、日本における洋食とイタリアンとフレンチの違いについて、歴史や食材・マナー・調理法などさまざまな面から解説していきます。
1.洋食と西洋料理
一般的に「洋食」とは、西洋料理を日本人の口にも合うようにした料理です。また、イタリアンやフレンチは「西洋料理」です。
1-1.洋食と西洋料理
明治維新以降、文明開化の波とともに日本に入ってきた西洋の料理に独自のアレンジを加えたものについて、「洋食」と言います。洋食には、とんかつやカレーライス・ハンバーグ・グラタン・ナポリタン・コロッケといったものが含まれます。箸で食べることも多く、また日々の食事によく登場するものばかりです。一方、イタリアンやフレンチといった料理は「西洋料理」です。洋食のように日本独自のアレンジが加わっているものとは異なり、オリジナルの形式が守られています。また、フォークとナイフを使うのも洋食とは異なる点です。
2.イタリアンとフレンチの違いは?
ここでは、イタリアンとフレンチの違いについてさまざまな角度から解説します。この2つは似ていますが、さまざまな面で違いがあるのです。
2-1.歴史の違い
16世紀、イタリアの名門貴族メディチ家から、カテリーナ・デ・メディチ(カトリーヌ・ド・メディシス)がフランスのアンリ2世と結婚するため、パリに移ったときにイタリア料理も持ち込んだといわれています。その際、料理人も連れていったため料理の技術とともに食事のマナーも持ち込まれたのです。それまでフランスでは、手づかみで食べていましたが、これをきっかけにフレンチも独自に発展していきました。盛り付けや調味料、ソースなども進歩し現在のフレンチの原型に近いものが出来上がったのです。
一方、イタリアンの歴史は古く、紀元前の古代ローマ帝国の時代にイタリアンの基礎が生まれたといわれています。ローマ人は食事の時間を大切にしていたことで知られています。また12世紀からはパスタが作られるようになり、18世紀にはトマトが伝わりさまざまな料理に用いられるようになりました。このようにイタリアンは紀元前から、フレンチは16世紀になってからとその歴史には大きな違いがあるのです。
2-2.食材の違い
フレンチはソースを重視します。乳製品を多用するフレンチでは、バターやチーズなどでコクのあるソースを作り、素材に変化を加えていきます。ソース以外にもムニエルやソテーなど調理方法もバリエーション豊かで、これらを使ってさまざまな味に変化させるのも、フレンチが得意とするところでしょう。
対してイタリアンは、オリーブオイルを中心とした味付けと素材を活かした調理法が中心です。また、同じイタリアンでも南と北では味付けや食材が異なるのも特徴といえるでしょう。主食となる炭水化物は、フレンチではバケットなどの硬いフランスパンがメインです。一方、イタリアンではパスタやフォカッチャ、ピザなどさまざまです。
2-3.調理法の違い
フレンチは手間のかかる、複雑な作り方をする料理が多いといわれます。フランスでは、肉や乳製品は手に入りやすいものの新鮮な素材を手に入れるのは難しかったため、料理をおいしくするために料理人がソースや調理法を研究したのです。
イタリアは地中海に囲まれ、フランスと比較して新鮮な食材が手に入れやすかったことから、素材のよさを活かしたシンプルな調理が多くなっているのです。傷みやすい魚介類は、ハーブ類やにんにくなどを使って、くさみを消したり、アクアパッツアのように丸ごと使ったりして調理のしかたを工夫して食べます。
3.イタリアン・フレンチをコースで食べる時の注意点
フレンチやイタリアンをコースで食べる場合、マナーに違いがあるため、注意が必要です。ここではフレンチとイタリアンにおけるマナーの違いを解説します。
3-1.フォークの使い方
フレンチではフォークの背を使って食べるのはマナー違反ですが、イタリアンではフォークの背に乗せて食べます。またフレンチでは、フォークを右手に持ち替えて使うのは問題ありませんが、イタリアンではフォークを右手で持つのはマナー違反です。
3-2.スープの飲み方
スープは、フレンチでは皿の奥から手前に向かってスプーンを動かし、イタリアンでは皿の手前から奥に向かって動かします。残りが少なくなったらフレンチでは皿の奥を浮かせるのに対しイタリアンでは皿の手前を浮かせるのです。
3-3.その他の食べ方
フレンチでは、生野菜を食べる際はナイフとフォークを使って切らずに口へ運びます。イタリアンでは、パスタを食べる時スプーンは使わずフォークのみで食べるのです。パンの食べ方についても、フレンチではパンを一口大にちぎってバターをつけて食べます。一方、イタリアンでは、パンを一口にちぎったらオリーブオイルにつけて食べるのです。このように、それぞれ細かいマナーの違いがあります。
4.まとめ
洋食は、西洋料理を日本人の口にあうよう独自にアレンジした西洋風の料理す。イタリアンやフレンチは西洋料理です。イタリアンは、素材を活かしたシンプルな味付けと地域ごとに趣の異なる料理が、フレンチは、凝ったソースや調理法が特徴でしょう。
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